堀井 一摩 准教授
専攻
近現代文学
略歴
新潟県長岡市生まれ。
上智大学文学部英文学科を卒業、しばらく社会をさまよった後、東京大学大学院総合文化研究科修士課程、続いて博士課程に進学し、アカデミズムの世界をさまよいました。2019年に博士号(学術)を取得。東京大学大学院総合文化研究科助教を経て、2022年4月、日本大学文理学部国文学科に着任しました。
研究分野
研究テーマは日露戦後文学です。泉鏡花・夏目漱石・芥川龍之介を中心に、明治後期から大正期の文学作品に描かれた〈不気味なもの〉を分析し、国民化や国民統合にともなう暴力の問題や、規範的国民を脅かし、また誘惑する〈不気味なもの〉の批評性について研究してきました。この研究成果をまとめた『国民国家と不気味なもの——日露戦後文学の〈うち〉なる他者像』(新曜社、2020年)で、第43回サントリー学芸賞(芸術・文学部門)を受賞しました。
現在の関心は、大正文学における外地表象と植民地における暴力とトラウマの問題、江戸川乱歩作品における怪物的他者の表象、戦後生まれの作家によるアジア・太平洋戦争の語り方などです。研究テーマが拡散してしまうことが私の悪い癖ですが、広く明治・大正期の文学、幻想文学、戦争文学に興味がある方は、ぜひ一緒に学びましょう。
私の学生時代
学部では英文学を専攻していました。とはいえ真面目な英文学徒とは言えず、バンド活動と読書に明け暮れた日々を送っていました。漠然と研究者になりたいと思っていましたが、何を研究したいかが定まらず、社会をさまよいました。
そんなときに手に取った小森陽一先生の本を読んで日本文学に開眼、大学院に入りました。小森先生の厳しくも優しい指導のもとで博士論文を書き上げ、10年以上かかってようやく「退院」しました。
大学院での研究生活は辛く厳しいものでしたが、優秀な友人たちに囲まれて、この上ない知的刺激に満ちた日々でした。飽きっぽい性格の私ですが、文学研究には未だかつて一度も退屈したことがありません。学生のみなさんにも、学びを通して常識が音を立てて崩れる瞬間の愉悦、論文を書いていてインスピレーションが(やっと)降りてきた瞬間の快楽を味わってほしいと思います。
担当授業
【学部】自主創造の基礎1、文学、学問の扉、基礎演習2、近代文学講義、応用研究2、特殊研究ゼミナール1、特殊研究ゼミナール2
【大学院】総合研究4、近現代文学基礎研究4
オフィスアワー
木曜の13時〜14時半