田部 絢子

専門分野

特別ニーズ教育学・特別支援教育学

特別ニーズ教育の歴史、北欧福祉国家との比較、障害当事者のニーズ調査、小中学校の巡回相談や少年院・児童発達支援センター等の発達相談臨床等の視点から研究を行っています。

担当授業

【学部】特別支援教育概論、特別ニーズ教育の理念と歴史、発達障害教育論、病弱教育論、肢体不自由教育論、国際特別ニーズ教育論など

【大学院】教育内容論研究Ⅱ

主な研究業績

田部絢子:『私立学校の特別支援教育システムに関する実証的研究』、風間書房、2014年3月。
田部絢子・髙橋智:『発達障害等の子どもの食の困難と発達支援』、風間書房、2019年2月。
髙橋智・能田昴・田部絢子編著『コロナ禍と子どもの発達困難・リスクの研究―子どもは現在もコロナ禍の最前線にいる―』風間書房、2024年11月。

学会活動など

【主な所属学会】
日本特別ニーズ教育学会(代表理事)
日本特殊教育学会(理事)
日本子ども学会(理事)

【主な受賞】
公益財団法人博報児童教育振興会「第9回児童教育実践についての研究助成事業・優秀賞」受賞、研究課題「発達障害児者の『食・食行動』の困難と栄養・健康増進の支援に関する研究」、2015年8月11日。
第18回杉田玄白賞「奨励賞」受賞、研究課題「発達障害等の子どもの食の困難と発達支援―当事者の声から「食べられない」を探る―」、2019年12月14日。
「2021年度日本特別ニーズ教育学会文献賞」受賞、対象書籍『発達障害等の子どもの食の困難と発達支援』(田部絢子・髙橋智著、風間書房、2019年2月刊行)、2021年9月10日。

ひとこと

私は、特別ニーズ教育・特別支援教育を専門分野に、障害等の発達上の困難やニーズを有する子どもの教育・支援に関する研究に取り組み、学部教育では特別支援学校教員養成課程を担当しています。
特別ニーズ教育・特別支援教育は、子ども一人ひとりの困難や支援ニーズ、発達への願いをふまえながら、障害による機能・発達の制約に対する発達支援を行い、子どもや若者が発達的に自立していくことをめざす教育です。私が研究を続けているのは、「発達したい」と強く願う障害のある子どもやその家族との出会いが大きいです。
近年、障害等の特別な配慮を要する人たちに関する多様な研究がなされるようになっていますが、私は本人・当事者の声・ニーズを把握し、それを起点にした支援のあり方を検討しようとしています。「子どもの声を傾聴し、読み解きながら支援のあり方を検討する」「本人のことは当事者本人に聞くのが、一番の理解と支援」という方法は、子どもの権利条約や障害者権利条約、障害者差別解消法の理念にも関わる重要な視点と考えているからです。
発達上の支援ニーズ、特別な教育的ニーズを有するのは障害・疾患を有する人に限りません。不登校、いじめ、虐待、非行、不適切な養育環境、感染症パンデミックや災害、戦争・紛争など、様々な背景による心身の状態によって障害そのものの状態や抱えている困難・支援ニーズがわかりにくくなっているケースもあり、教員には幅広く柔軟な視点が必要になっています。国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)においても、「すべての人に包括的、かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」ことが挙げられていて、これからの国際社会が目指すべき指標といえます。
そうした教育の実現のためにも、障害等の当事者の言葉にならない想いや内面的世界についても知ろうとすることが大切ですし、障害のある子どもたち自身が自分のねがいや要求をもったり、伝えたりできるように育くんでいくことが不可欠だと考えています。