数学科からのメッセージ

数学のイメージって?

皆さんは「数学」に対して、どのようなイメージをもっていますか。

  • 難しい計算をする。私は計算が苦手なので、向いていない。
  • 社会に出て役に立たない。まして、コンピュータがもっと発展する将来には、必要が無くなるから勉強するだけ無駄だ。
  • 理系オタクの学問だ。私は、絵や音楽や文学を鑑賞する方が好きだ。

こんなふうに思っている人も多いのではないでしょうか。
でも、この考えは本当に正しいのでしょうか?

どんな人が数学する?

確かに複雑でややこしい計算が必要になることもあります。
しかし、そのような計算は、数学のほんの一部の側面でしかありません。

一言で言うなら、数学は、
「物事はこんなふうに考えるとこんなふうに理解できます」
というひとつの考え方を提示する学問なのです。
計算は物事を理解する過程での一つの手段にすぎません。

ですから、計算が苦手でも、物事の仕組みや成り立ちに興味があり、思いをめぐらせることのできる人なら数学に向いています。

何を隠そう、数学者の大半は計算が苦手です。
ちょっと、開きなおっていわせてもらえば、計算が苦手だからこそ、本質を見抜ける力がもてたのかもしれません。

数学って役に立つの?

確かに、買い物をしたりするような日常生活には2次方程式ですら使いません。でもそういったら、物理や化学、そして文学でさえ日常生活に不可欠なわけではありません。もっと、高度な知的な生活に文学や絵画が役にたつように、物理や化学も役にたっています。そして上に述べたように、数学はものの見方を与える学問です。したがって、色々な分野の色々な現象に解釈を与えることができます。

物理、化学、生命科学、地学などの理系の学問はもとより、経済学、社会学などの分野にも幅広く数学は利用されています。数学は勉強しておいて損になるどころか非常に利用価値のある有益な学問です。

確かに、最近はコンピュータが何でも計算してくれるようになってきています。しかし、コンピュータは考えてくれません。ものの見方、考え方をコンピュータに指示してやるのは人間です。つまり、数学を学んで、ものの見方をきちんと身につけておかないと、コンピュータに振り回されるようになってしまうのではないでしょうか。

数学の美しさ

数学は無機質な学問の代表のように言われていますが、そんなことはありません。数学の理論には、美しさがあります。 物事の真理を射抜いた理論ほどさんぜんと輝く美を持っています。 それは、音楽や美術や文学の中にある美とまったく同質のものです。

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