大学院修了生 森町 勇人氏を筆頭著者とする論文がイギリス王立化学会の『Chemical Communication』誌に掲載されるとともに,雑誌のInside front coverにも選ばれました。

2023.04.06

研究活動

 

錯体分子化学(周)研究室の森町 勇人氏(大学院相関理化学専攻2021年度修士修了)を筆頭著者,周 彪 教授を責任著者とする論文がイギリス王立化学会の『Chemical Communication』誌20235928号に掲載されました。また,今回の研究成果の新規性が高く評価され,同誌のInside front coverにも選ばれました。

 

本論文は,森町 勇人 氏の修士論文(指導教員:周 彪教授)に基づくものです。本研究では(TMA)(HEDO-TTF-dc)とシュウ酸を用いた電解酸化により,強い分子間水素結合を有する新規分子性超伝導体(TEA)(HEDO-TTF-dc)2·2(H2C2O4)が開発されました。結晶構造解析の結果,HEDO-TTF-dcアニオンドナーとシュウ酸分子の間には,強いπ-π相互作用だけでなく,非常に強い分子内および分子間水素結合相互作用が存在することがわかりました。強い分子間水素結合による化学的圧力が超伝導の発現機構に影響を与えている可能性が示唆されました。

 

論文タイトル: An Organic Superconductor, (TEA)(HEDO-TTF-dc)2·2(H2C2O4), Coupled with Strong Hydrogen-Bonding Interactions

 

著者: Yuto Morimachi (2021年度修士修了), Mizuki Urai, Ryota Nakajima (2019年度修士修了), Hajime Kamebuchi, Kazuya Miyagawa, Kazushi Kanoda, and Biao Zhou

 

論文誌: Chemical Communications

DOI: 10.1039/D3CC00080J