美学
美しさとは何か?
漢字をもとに説明すれば、「美学」とは「美についての学問」ということになります。
たしかに「美」は人間が追い求める重要な価値であり、古来人間は美についての哲学的な思索を重ねてきました。
ただし、美学はひたすら美しいものだけを探究の対象としているわけではありません。美学者のなかには、芸術作品の創造や鑑賞にかんする問題に取り組んでいる人もいれば、「かわいい」や「おいしい」といった感性的判断にかんする問題に取り組んでいる人もいます。美学は多様な関心を受けとめることのできる大らかな学問であり、時代とともに美学があつかう主題は拡張しつづけています。
では、いったい「美学」とはどういう学問なのでしょう。
哲学、倫理学、宗教学とならぶ学問分野としての「美学 Aesthetics」は、一八世紀の西洋において成立しました。この学問の成立を可能にしたのは、「美しいものの代表は芸術作品であり、芸術作品の美しさは感性によってとらえられる」というものの見方です。すなわち、そこでは美について考えることが、芸術について考えることや、感性について考えることにつながっていたのです。もともと美学は、美・芸術・感性をひとまとめにして探究を行う学問であったと言えるでしょう。
そしてそこから芸術的実践に焦点をあわせた考察や、感性的判断に焦点をあわせた考察が派生してきました。
こうした動向の背後には、美しくない芸術作品の登場や、人間の感性の不思議があります。「醜い」とさえ言いうる作品がなぜ「芸術」なのでしょうか。怖い(不快である)のにホラー映画を見続けてしまう(また見てしまう)のはなぜでしょうか。こうした謎に関心をもった方は、ぜひ美学コースの扉をたたいてみてください。もちろん美に関心がある人も!
