紅野謙介教授 最終講義のご報告
2023.03.23
学科のニュース

2023年3月11日(土)に本館地下1階センターホールにて、
紅野謙介教授の最終講義「文学史の複数性――中里介山を例に」が開催されました。
対面およびオンラインで実施された最終講義には、本学学生や教職員、先生の教えを受けた卒業生をはじめとした多くの方々にご来場、ご参加いただきました。
講義では、中里介山の『大菩薩峠』が取り上げられ、この小説が「内面」を描く近代小説とは異なる説話・語り物の系譜の中にあると同時に、物語的完成を壊す「小説ならざる小説」であること、演劇・挿絵・映画などの隣接領域と衝突をくり返すことでそれらの歴史的転換点が導かれたことが紹介され、従来の詩歌・小説を中心とした公定の文学史とは異なるさまざまな文学史が書きうる可能性が示されました。
最終講義終了後には、花束の贈呈、先生の教えを受けた方々によるスピーチ、参加された方々との記念写真の撮影が行われました。
数多くの学生のご指導にあたられ、学内のみならず学会における研究活動や国語教育の領域においても多大なる貢献をされました紅野謙介教授の今後ますますのご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。