櫻井一成 助教

専攻

美学、解釈学

略歴

東京大学大学院人文社会系研究科(美学芸術学専門分野)博士課程単位取得退学。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員、日本大学非常勤講師を経て現職。

論文・著作

博士論文「ポール・リクールの哲学——人間の善き生と想像力」(東京大学人文社会系研究科、2022年10月)

学会活動等

美学会

コメント

「美」や「芸術」と「よく生きること」の結びつきについて考えています。美的な活動の実存的意義や教育的意義を考察の柱とし、思想史研究と分析的研究の相補性、美学と倫理学の相補性、理論と実践の相補性を重視しながら研究を進めています。

研究の成果は、主として思想史研究の文脈で公表しています。これまでポール・リクール、ハンナ・アーレント、ジャック・ランシエールにかんする論文執筆・研究発表を行なってきました。今後の予定として、シラー以降の美的教育論や、後期フーコーの思想の研究に従事するつもりです。また最近では「人間の美」——たとえば「美容」や「ルッキズム」など——に興味を持つようになり、現代社会に特有の美的な実践にも注意を向けています。

「美学」は私たちの日常生活に密接に結びついた学問です。美学を学ぶことにより、日常を新たな視点からとらえ直すことができるようになるでしょう。日々の生活のなかでふと心に浮かんだ問いが、実は美学の問題であったということが判明するはずです。生きる楽しみも、考える楽しみも同時に味わうことができるのが美学の学問的魅力であると考えています。