吉良 文孝

専門分野

英語学(現代英文法)

外国語を自在に操るには、その基礎となる文法の知識が必要不可欠です。英文法の授業では、統語論(語句の連接)や意味論にとどまらず、語用論(場面にそくした文の意味機能)の観点から、幅広く「ことば」の仕組みを学びます。

主な担当授業科目

● 英文法1・2

● 英語学特殊講義1・2

ゼミ紹介

指導分野:現代英文法(テンス・アスペクト・モダリティを中心として)

「ことば」はとても神秘的なもので、とても不思議なものです。ふだん何気なく使っていますが、ことばの実態はと問われると、その答えはなかなか難しいものです。一見すると何の変哲もない言語現象も、いざ説明するとなると一筋縄ではいかず、説明に窮することもしばしばです。具体的な例を挙げてみましょう。例えば、電話に出るようにと、“Will you answer the phone? It {may/*can} be your mother.”(「電話に出てくれる?君のお母さんからかもしれないよ」)という場合、mayはよいのですが、canの使用は不可とされます。「可能性」を表わす法助動詞のcanとmayの違いは、一般には、可能性の高低の立場で説明されますが、その立場では上の使用状況におけるcanの容認可否を説明することはできません。なぜでしょう。あるいは、*If it will rain tomorrow, the match will be cancelled.のように、条件節内ではwill rain(「ダロウ」を意味するwill)は用いられないと、一般に、言われますが、これとは逆に、If it {will rain/*rains} tomorrow, we might as well cancel the match now.のような文ではwill rainの使用しか認められません。なぜでしょうか。
上のような言語現象を、D. Bolingerのいう「意味とかたちの一対一の対応関係」の観点から説明し、そして、「ことばは柔軟、かつ不完全なものである。そして、一見すると複雑なようではあるが、その実、美しいまでの非常に簡単な規則によって統一的に説明される」ことを、皆さんとともに、実感し学修しようと思います。さあ、皆さん、意味の世界へと飛び込んできませんか。面白い世界ですよ!

連絡先

研究室:文理学部7号館 7312室