生体情報学研究室
末永 敦 准教授
新しい分野の先駆者になってみませんか。 ーコンピュータを使って新薬や高機能分子を設計
生体情報学(末永)研究室では、生命を情報科学(計算科学)の観点から眺め、複雑な生命現象を理論的に解き明かしていくことを目標としています。
研究内容
研究の柱となるのは、分子シミュレーションです。生体内に存在する様々な分子の挙動を、計算機で「シミュレーション」することで、非常に小さい、そして早い動きを理論的に観察します。その分子の動きから、より効果的な薬や人工的な分子を計算科学的に設計します。このような研究分野はまだ新しく、これから新しい発見が生まれるかもしれません。
計算機を用いた新薬の設計
薬の候補となる化合物は、膨大な数があります。その候補となる化合物を、計算機(コンピュータ)の中で標的タンパク質にドッキングさせ、その結合の強さを計算機シミュレーションで理論的に予測し、有力な薬の候補を絞り込みます。それら計算機によって絞り込まれた薬の候補のみを実際に実験することで、新薬開発にかかる労力と費用を大幅に改善できると期待されています。
計算機を用いた中分子医薬品の研究
核酸(DNAやRNA)やペプチド分子は、次世代の医薬品として期待されています。それらは中分子医薬品と呼ばれ、これまでの一般的な低分子医薬品の持つ低コスト性、抗体やタンパク質などの高分子医薬品の持つ特異性(副作用が抑えられる)といったそれぞれのメリットを持ち合わせています。そのような中分子医薬品を、計算機を用いて効率よく開発するための基盤技術を研究しています。
当研究室で構築した中分子医薬品用(RNA)データベース
生体高分子の動態の研究
生物の体の中で、タンパク質は「分子機械」とも呼ばれ、大変重要な働きを担っています。そのようなタンパク質の機能は、タンパク質の持つ構造とその動き(動態)に深く関係があります。つまり、機能を深く理解するためには、その構造と動態について調べる必要があります。タンパク質は、非常に小さく、かつ速く動いています。そこで、計算機の登場です。計算機を使ってタンパク質の非常に小さな、そして早い動きをシミュレーションすることで、生命現象をより深く理解するために日々研究をしています。

分子の動態をコンピュータでシミュレーション
【連絡先】
日本大学 文理学部 生命科学科 生体情報学(末永)研究室
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■メールアドレス: suenaga.atsushi(at)nihon-u.ac.jp (atは@に変更してください)